著者 綾辻行人
十角館の殺人の主要登場人物
角島に滞在している推理小説研究会のメンバー
ポウ
医学部の4回生、大柄で無口。濃い口髭が特徴の男性。
カー
法学部の3回生。中肉中背で猫背、青髭の目立つ顎はしゃくれている。他のメンバーとよく衝突するが特にエラリイと仲が悪い。
エラリイ
法学部3回生、色白で背が高い。金縁のメガネをかけている。
ヴァン
理学部3回生、痩せた男性。不動産業を営む伯父のつてで角島の合宿を可能にした。
アガサ
薬学部3回生。ソフトソバージュの長い髪をした女性。サバサバした男性的な性格。
オルツィ
文学部2回生、ショートヘアの小柄で太めな女性。そばかすが特徴で引っ込み思案な性格。ポウとはお幼馴染。
ルルウ
文学部2回生。銀縁メガネをかけた童顔で小柄な男性。年下なのと、後輩キャラのため色々とこき使われている。
青屋敷のメンバー
中村青司
建築家で十角館の設計者。半年前の事件で死亡している。
中村和枝
青司の妻。半年前の事件で死亡している。
中村千織
青司の娘。一年前に推理小説研究会の新年会で亡くなっている。
北村夫婦
青屋敷の使用人夫婦。半年前の事件で亡くなっている。
吉川誠一
青屋敷の庭師。半年前の事件では遺体が発見されず、行方不明となっている。
本土にいるメンバー
島田潔
中村紅次郎の友人。島田修は兄。
江南孝明
推理小説研究会の元会員。会員時代のニックネームは「ドイル」。
守須恭一
江南の友人で推理小説研究会の会員。
中村紅次郎
中村青司の3つ下の弟。大学で島田と知り合う。
吉田政子
吉川誠一の妻。
島田修
島田潔の兄。大分県警の警部。
十角館の殺人の簡単なあらすじ
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学の推理小説研究会のメンバー7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生達を襲う連続殺人。メンバーが1人、また1人と殺されていく。アガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」をリスペクトしたオマージュ作品としても有名な一冊。
十角館の殺人の起承転結
《起》十角館の殺人のあらすじ①
大分県にあるK大学の推理小説研究会のメンバー7人は、角島とよ呼ばれる孤島に訪れた。彼らがここに訪れた目的は半年前に悲惨な殺人事件が起き、焼け落ちた「青屋敷」と、十角形の形をしたその名も「十角館」と呼ばれる建物だった。そこで彼らは1週間の合宿を過ごそうというのだ。
一方その頃、本土では、推理小説研究会のメンバーや事件関係者に宛てて、かつて会員であった中村千織の事故死についての怪文書が送りつけられていた。怪文書を受け取った1人である江南孝明は、中村千織の唯一の肉親である青司弟、中村紅次郎を訪ねる。そこで、紅次郎の大学時代の後輩である島田潔と出会った江南は、一緒に事件の真相を探ろうと調査を開始し、推理小説研究会のメンバーの1人、守須恭一に話を聞く。
《承》十角館の殺人のあらすじ②
島で過ごす三日目の朝、オルツィの部屋の名札の上から『第一の被害者』というプレートが貼られていることにメンバーが気が付き、部屋の中を確認すると、絞殺されたオルツィの死体がベッドに横たえられていた。メンバー達は、「自分たちの中に犯人がいるのではないか?」と互いに疑心暗鬼になり、推理を始めるが、第三者の可能性も排除できなかった。さらに同日の昼には、カーが毒殺されてしまう。そして、1人、また1人と姿を消していくことに…
《転》十角館の殺人のあらすじ③
ついにエラリイとヴァンだけが残された中、2人は犯人は中村千織の父親であり、この「十角館」を立てた建築家・中村青司であると推理する。本土にいる島田と江南も、怪文書を送りつけてきた正体を探っていた。半年前に起きた、悲惨な殺人事件の真相が分かりかけてきた中で、島にいる推理小説研究会のメンバーが戻ってきたら事情を聞くことで話がついたが翌日、「十角館が火事になりメンバー全員が死亡」という一方が届く。
《結》十角館の殺人のネタバレ!!
島田、江南、守須は捜査を終えた警察から、死体は一部を除いて焼かれる前に死んでいて、一体は焼死、自殺との見方が強いと説明され、焼死体はエラリイだと判明する。しかしここで守須のニックネームが「ヴァン」だということがわかる。はたして角島で何が起こり、どのようにして殺人が行われたのか。その動機は何か。そして1年前に起こった中村青司の自宅焼失事件の真相とはどのようなものか。島田は守須の下へと向かう。
十角館の殺人の感想
アガサクリスティの「そして誰もいなくなった」のリスペクト、オマージュ作品としても有名ですが、それを抜きにしてもとても面白く、叙述トリックと思い込みを利用した作品になります。もし可能ならば、そして誰もいなくなったを読んでからのがより一層楽しめると思います。
トリックなどの詳細は省略しましたので気になる方はぜひ読んでみてください。推理小説を読んでみたいという方にぜひお勧めしたい作品です!