著者;横溝正史
本陣殺人事件の主要登場人物
主要人物
金田一耕助
私立探偵。アメリカで久保銀造に気に入られ、資金援助をしてもらう。
磯川常次郎
岡山県警の警部。
久保銀造
果樹園を経営している。金田一のパトロン。
久保克子
女学校の教師。一柳賢蔵の妻。離れで賢蔵と一緒に死んでいるのが発見された。
一柳賢蔵
一柳家の長男。ある集会で久保克子と知り合う。離れで死んでいるのが発見された。
本陣の末裔 一柳家
一柳糸子
本陣の末裔であること誇りに思う。一柳家当主の賢蔵の母。
一柳妙子
長女。会社員の嫁に行き、事件当時は上海にいた。
一柳隆二
次男。医者。
一柳三郎
三男。家でゴロゴロしているだけのニート。
一柳鈴子
次女。病弱だがことを引くのが得意。
一柳良介
分家の当主。賢蔵たちの従兄弟。
一柳秋子
良介の妻。
本陣殺人事件の簡単なあらすじ
一柳家の当主・賢蔵と久保銀蔵の姪・克子の結婚式が行われた。次の日の朝方、2人が寝ている離れの寝室から、悲鳴と琴の掻き鳴らす音が聞こえてきた。賢蔵と克子が死んでいるのを発見されたが、離れには他に誰もいない。密室殺人事件と睨んだ久保銀蔵は、自分が面倒を見ている名探偵の金田一耕助を呼び寄せる。
本陣殺人事件の起承転結
《起》本陣殺人事件のあらすじ①
昭和12年の11月、本陣の末裔である一柳家の当主・一柳賢蔵と久保銀蔵の姪・久保克子の結婚式が行われた。日付が回って午前2時、無事式も終わりお開きになったあと、各々自室に戻り眠りについた。それから2時間ほど経った、午前4時ごろ、新郎新婦の寝室がある離れの方から、悲鳴と琴を掻き鳴らす音が聞こえてきた。銀蔵らが離れに駆けつけて調べたところ、玄関も雨戸も全て閉まった密室の状態で、賢蔵と克子が血まみれで死んでいるのが発見された。銀蔵は事件の解決に、自分が面倒を見ている名探偵の金田一耕助を、屋敷に呼び寄せることにした。
《承》本陣殺人事件のあらすじ②
警察の捜査の結果、結婚式の直前に一柳家に訪れて、旦那へ渡してくれと手紙を託した三本指の男がいた。手紙には「島の約束を果たす。闇討ち、不意打ちどんな手段でもいいという約束だったね。君のいわゆる生涯の仇敵より」と書かれていた。また、「生涯の仇敵」と書かれた男の写真が賢蔵のアルバムから見つかった。そして新郎新婦の殺害に使われたであろうとされる日本刀に着いた指紋と、手紙を持ってきた時に、コップに着いた指紋が一致したこともわかった。しかし、それ以降の足取りがほとんど掴めずにいた。
《転》本陣殺人事件のあらすじ③
金田一が到着した以降、鈴子が三本指の男を見かけた証言が出てきたが、夢遊病が疑われているため信憑生は無かった。だが猫の墓標に三本指の指紋が着いていたのが発見された。そして、一柳家の三男三郎の、推理小説が大量に詰まった本棚を発見し、密室事件の議論で三郎とに大いに盛り上がった。また、克子が処女でないことを賢蔵に打ち明けていたことや、家の近くの窯から、3本指の男の死体が発見されたのであった。
《結》本陣殺人事件のネタバレ!
金田一によって一同を事件現場に集め、トリックを再現してみせた。推理の結果、犯人は賢蔵で克子を殺した後に、自ら命を絶ったのであった。動機は、結婚直前に克子が処女では無いことが判明し、破談にするにも周囲の反対を押し切ってここまできたので取りやめることも出来ず、本陣という家柄と、賢蔵の性格が災いしてこの事件を引き起こしてしまったことが明かされた。三本指の男は急遽飛び入り参加した男で、部外者に過ぎなかった。賢三がトリックの練習をしているところを三郎に見つかり、計画に参加。そして三本指の男を犯人に偽装するトリックを思いついたのであった。
本陣殺人事件の感想
金田一耕助のシリーズを読みたいと思い、手に取った最初の一冊。金田一耕助の初登場の物語です。のちに読む、その他の物語に比べると、おどろおどろしさは若干控えめに感じますが、横溝正史の世界観は十分に味わえると思います。一冊ずつ話が完結しているため、どれから読んでも良いですが、金田一耕助のシリーズをこれから読みたい人には、おどろおどろしさと、短編故の読みやすさと、最初の一冊におすすめだと思います。
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