著者;アガサ・クリスティー 青木久恵訳
そして誰もいなくなったの主要登場人物
ロレンス・ウォーグレイ:元判事
カルミントンという人物からの誘いの手紙より、兵隊島を訪れる。
ヴェラ・クレイソーン:体育教師
オーエンという人物から秘書の仕事を依頼され兵隊島へ向う。
フィリップ・ロンバード:元陸軍大尉
アイザック・モリスという人物から、報酬をもらう代わりに兵隊島へ行くように指示される。
エミリー・ブレント:老婦人
数年前に知り合った人物からの、招待状により兵隊島に招かれる。
ジョン・マッカーサー:退役将軍
オーエンという人物から、退役軍人の古い友人が参加すると言った文面より、兵隊島へ招かれる。
エドワード・アームストロング:医師
オーエンと名乗る人物から、神経質な妻を見てほしいという依頼を受け、島を訪れる。
アンソニー・マーストーン:青年
遊び好きな青年。スポーツカーに乗って登場する。
ウィリアム・ブロア:元警部
元警部といった素性を隠して島を訪れる。
トマス・ロジャーズ:執事
オーエンに雇われた夫婦の執事。
エセル:執事の妻
同上
そして誰もいなくなったの簡単なあらすじ
その孤島に招き寄せられたのは、互いに面識もない、職業や年齢もさまざまな10人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして不気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!
そして誰もいなくなったの起承転結
《起》そして誰もいなくなったのあらすじ①
イギリス デヴォン州の兵隊島に、年齢も職業も異なる8人の人物が招かれた。執事の2人が出迎えたが、島の持ち主であるオーエン夫婦はいっこうに姿を見せない。それどころか、執事の2人もオーエン夫婦に会ったこともない。やがて、招待状が虚偽のものだということがわかる。
《承》そして誰もいなくなったのあらすじ②
招待主のオーエンが姿を見せないことに不安を抱えながら、晩餐の席につく招待客たち。その時、突如として10人の過去の罪を暴く不気味な謎の声が響き渡った。声の正体は蓄音機からだとすぐに分かったが、混乱の最中、招待客のうちの1人アンソニーが毒殺される。これを機に1人、また1人と姿をけしてゆくことに…
《転》そして誰もいなくなったのあらすじ③
謎な声の通り、招待客達は不審な死を遂げていく中、残された招待客はそれが童謡「10人のインディアン」に基づいた死に方であること、そして10個あったインディアンの人形が減っていることに気づく。犯人は誰なのか、次は誰が殺されるのか、過恐怖に怯えながら互いに疑心暗鬼になり、次第に精神的に追い詰められていく招待客達。最後の1人になったヴェラも、犯人がわからないまま精神的に追い詰められて自殺し、、そして誰もいなくなった….
後日、救難信号により事件の発生が明らかになるが、事件を担当したロンドン警視庁は犯人となる11人目がいたと推理する。しかし、ある漁師が「ボトルに入った手紙」を見つけたことにより、事件の真相が解明される。
《結》そして誰もいなくなったのネタバレ!!
手紙の中身は被害者の1人だと思われたロレンス・ウォーグレイ元判事の告白文で、この物語の真犯人であった。ロレンスは幼少より、「生物を殺すことに快楽を感じる性質」を持っていたが、同時に正義感や罪なき人間を傷付けることへの抵抗感も強かったため、欲望を満たしかつ正義を行えることとして、法律では裁かれなかった殺人を犯した9人の人間を集めて、1人ずつ殺していく計画を実行したのである。ロレンスは作中で殺害されるがこれは偽装死であり、全てが終わった後に告白文を海に流し、自殺した。
そして誰もいなくなったの感想
とても有名な作品なので知っている人は多いかもしれませんが、初めて紹介させてもらう作品としてアガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」を選びました。読んだことある人からしたらしごく納得のいく作品ではないでしょうか!それぐらい王道で、でも先の読めない展開、1939年に発表されたからといって古臭さも全く感じません。私が初めて読んだ時には、すでにいくつかの推理小説を読んでいたため、衝撃のトリック!驚愕の事実!といった感想はなかったのですが、この作品に影響を受けた人はたくさんいるのではないでしょうか。そういったことからも、あえてもう一度いうと、「王道の推理小説」だと思います。私は叶うのであれば、本を読み始めた頃に記憶を無くしてもっと純粋な気持ちでこの本に出会い、夜通し読みたいなと感じた一冊です。